誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





この人は何を言ってるんだろう 。



「 市川くんにしか分からないって
 そう思いたいだけじゃないの ?
 …… 俺にだってアイツの立ち位置になれるよ 」



「 …… わたしには律しかいないので 」



「 今だけ透子ちゃんの寂しさ埋めてあげるよ 」



わたしの肩から手が離れたかと思うとすぐに小野くんは自分のネクタイを外し始めた 。




「 何してるんですか … っ 」



思わず目を逸らすけど逸らしても結局小野くんが視界に入ってしまうくらい距離は近かった 。