何も言えなかった 。
みんなが思う幸せを手に入れなくてもよかった 。
律のそばにいられるならそれが幸せだった 。
律にどんな扱いをされても幸せだと思ってた 。
でもわたしは何も言えなかった 。
小野くんに乗り換えようとか好きなったとかじゃない 。
『 律と居る方が幸せだ 』 ってすぐに反論できなくなってた 。
肌の透けたワイシャツに小野くんの手が触れる 。
びっくりして小野くんを見ても何も言わず 、 辛くなるほど目を合わせる 。
雨に紛れて聞こえる
「 愛してる 」
わたしは聞こえないフリをした 。

