誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





そう言うと律は口角を上げて嬉しそうにしてる 。



この人がわたしのことを好きなら良かったのに 。




「 律 、 先に出て良いよ 」




付き合ってるわけじゃない 、 わたしたちが一緒に居るところを見られたらまずい 。



だからいつも2人はバラバラに出る 。




「 わかった 、 気をつけて帰ってね 」




眼鏡をつけて 、 いつものわたし達に戻る 。




さっきより雨は降ってないけど 、 パラパラ降っている雨の中 、 律は出て行った 。