誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





「 僕も傘持ってないから …
 止むまでの話し相手ぐらいしかなれないよ 」



このまま話してもわたしの事なんか忘れてる 。



「 ……… わたし折り畳み傘持ってるよ
 無地だから違和感ないでしょ ? 」



律と出会った時貸した紺の折り畳み傘を渡す 。



どうかわたしとの約束を思い出してくれないかな 、 なんて淡い期待を抱きながら 。




「 え 、 でもこれじゃ透子が … 」



「 いいの 。 わたし傘2本持ってるし 」




思い出してくれなかったみたいだな 。