誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





もう小野くんにはなんでもお見通しだ 。


わたしは図星だったから目を逸らす 。




「 アイツのために俺と関わるのやめるって
 言って必死に避けてんのバレバレ」



「 … 別に律のためだけじゃないですし 。
 わたしが … 小野くんと関わりたくないので 」



小野くんはフッと鼻で笑う 。


絶対わたしのこと見下してる 。




「 もう市川くんの呼び方隠さないんだ
 … まあいいけど
 透子ちゃんと市川くんとの事
 バラしてもメリットないし 」



小野くんはわたしの手を離して距離ができる 。



「 透子ちゃんが避けても何しても無駄だよ
 そんなんじゃ透子ちゃんのこと
 嫌いになれないから 」



スマホを渡されて小野くんはどこかに行ってしまった 。





何しても無駄なら 、 どうすればよかったの … ?