誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





「 じゃあポッケの中から出してみなよ 」



小野くんはわたしのスマホをズボンのポケットに入れておまけに手も突っ込んでる 。



「 こんなの取れるわけないじゃないですか … 」



「 じゃあ諦めればいいんじゃない〜 ? 」



澄ました顔がムカつく … !


意を決して小野くんのポケットに手を入れる 。



「 やだ 、 透子ちゃん変態 ! 」


「 … どの口が言ってるんですか 」



嫌でも小野くんの手に触れてしまうから変なドキドキのせいで体がじわじわ熱くなる 。