誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





本当はちょっと思ってる 。


でも恋人とかそんな薄っぺらい関係を越えて律とわたしは一緒にいる 。


恋人よりも濃い関係でいられるなら彼女になったって意味がないのかもしれない 。




「 え … だって透子ちゃん
 アイツの事好きなんでしょ … 」



「 … 好きです
 でも彼女になれなくても
 近くに居られるならもういいんです 」




はぁ、と大きなため息をつき 、 よろけるようにベンチに座る小野くん 。


呆れる言葉だってわかってる 。


2番目の女がよく言いそうな言葉だってわかってる 。