思い出の場所なんて言うほど特別な場所じゃないのに 。




「 ふふっ … そんな意味ある場所じゃないですよ 」


緊張が緩んでしまう 。


わたしにとってこれが小野くんと最後の会話だと思ってるから 。




「 俺には特別な場所なの 」

「 … あの日 、 アイツに手を引かれてる
 透子ちゃんが助けて欲しそうに見えた 」




「 どういう意味ですか … ? 」



「 くっついたり離れたり 。
 透子ちゃんとアイツの関係って不安定だよね 」



返す言葉が見つからないまま小野くんはぷつぷつと話を続ける 。