誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





絶対わざと 。



女の子はわざと肩をぶつけてきた 。


肩はそんなに痛くないけど 、 心はズタボロ 。


教科書ぶちまけたし … !




「 はあ … わたし悪くないのに …
小野くんが勝手に … 」



なんてぶつぶつ愚痴をこぼしてた 。




「 大丈夫 ? 」



わたしの大好きで大嫌いな人の声 。



「 律 … ? 」




教科書を拾う手が触れる 。


きっとわざと 。



久しぶりに声を聞いたら冷めかけてた恋の熱も熱くなる 。