誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





「 ん … ?
ごめんなさい聞こえません … 」



小野くんが呟いた言葉は車の音でかき消された 。


もう一度聞こうとしたら 、




「 んーん ! なんでもない !
夏休み楽しみ ! ! 」



すぐに明るい小野くんに戻る 。



疑問は残ったけど 、 もう家の目の前に来てしまった 。



「 あ 、 もう家の前なので …
送ってくれてありがとうございます 」



「 また明日ね〜 ! 」




強引に予定を決められるのは嫌だけど 、 小野くんは許してしまう 。





その理由はまだわからないまま 。