誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





「 … そんなことないです
ただ … 小野くんの事知らなかったから …
怖かっただけです 」




小野くんはわたしから離れる 。



小野くんの体温がまだ残ってる 。




「 まだ俺のこと怖い ? 」




「 全然 、 怖くないです
小野くんは優しい人です 」




こんなことしか言えないけど …


小野くんがこんなに優しい人なんて思ってなかった 。




「 でもやっぱり
市川くんには負けるんだよね 」




ぼそっと呟いた言葉は聞こえた 。