小野くんはわたしの肩に頭を乗せる 。
これから先はわたしが知りたくないような気持ち 。
律とわたしだけいれば良いと思ってた世界は 、 いつの間にか誰かを傷つけてた 。
「 あの日のこと 、 透子ちゃんも覚えてる ? 」
わたしの返事を聞くことなく話を続ける 。
「 透子ちゃんを見かけて 、
走って行く透子ちゃんを追いかけたら
アイツがいて …
今更逃げるとか出来なくて
最後までずっと見てることしか
できなかった 」
小野くんの目が赤くなってくる 。
「 … 苦しくて …
好きな人がいる子を好きになるって苦しいし
ちょっと厄介なヤツに引っかかってるし …
もうどうしたらいいか
わかんなくなっちゃうよね 」

