美『ごめ…私格闘技とか分からないから!!』


悠『は??』


あ…そう言えば。

さっきのサイレンが聞こえない。



美『武力じゃかないっこないから。』



そっか。サイレンの音はこいつの携帯から……



美『頬。怪我してる…』


そう言って彼女は俺にくまの絵が描いてある絆創膏を渡した。


正直そんな絆創膏恥ずかしくて使えない。






でも見て見ぬ振りをしていく大人達の中そうしなかった彼女には興味が湧いた。



そしてその彼女は寒いからと自分がしていたマフラーを俺に巻き

持っていたカバンから可愛らしくラッピングされたカップケーキを1つとると俺に渡してきた。




悠『いらねーよ。そんなもん。もらう理由ねぇし。コレも!!』




美『ダメだよ。風邪ひいちゃう!甘いもの嫌い?』




悠『……』




美『嫌いじゃないならどーぞ。クリスマスプレゼント!メリークリスマス。』



そう言って俺の手にそっとそれを置くと彼女は去って行った。




















悠「って……もう忘れてるよな。」



美「あれ…悠真くんだったんだ。」



だよな。


俺はずっとそれが忘れられなかった。


だから入学式で美音を見つけた時、びっくり通り越したくらい驚いたんだ。