悠母「おまたせ〜!甘いもの大丈夫だったらさっきシフォンケーキ焼いたから良かったら。」
そう言って優しい笑顔でお母さんはシフォンケーキと紅茶を丁寧にテーブルに置いた。
美「すみません。突然押しかけたのに…」
悠母「いいのよ。どうせ悠真が強引に連れてきたんでしょう?ゆっくりして行って。」
美「ありがとうございます!」
悠母「そうだ!どうせだったら夕飯も一緒にどう?」
美「え…でも…」
悠「いいじゃん。食ってけよ。」
美「ありがとうございます…」
どうしてこの家族はこんなにも優しいんだろう。
悠母「じゃあ私お買い物行ってくるわね。」
悠「気をつけてけよ。」
悠母「ありがとう。行ってきます。」
そう言って悠真くんのお母さんは部屋を出て行った。
悠「さてと……じゃあもう一箇所手当てしねーとな。」
美「え?」
そう言って私の袖口を悠真くんは優しくめくった。
悠「派手にやったなぁ。」
美「……」
悠「こんな事しても自分が傷つくだけだろ。」
美「……」
分かってる。
分かってるけど……
悠「それに。一度だけじゃねーよな。ここ切ったの。」
私はコクリとうなづいた。
悠「消毒するから少し染みるぞ。」
そう言って消毒し始める悠真くん。
美「……っ。」
思った以上に傷口に染みる。
悠「こら。手引っ込めないの。もう少しだから。我慢我慢。」
悠真くんは優しく手当てしてくれた。
今の私には辛くなるほど優しく。。