母「ここよ。」


そう言って私が連れて行った場所。


もうしばらく廃墟になったままの工場。





美「ここ?えと……ママ??」


母「あなたの本当のお父さん…になるのかな。その人が経営していた工場。」


美「え?」






そう。あれは美音ちゃんと駿くんが産まれる約一年前。











優也くんと湊斗くんは学校に行って、お父さんは仕事。


その間に買い物を済ませておこうと買い物に行った時の話。






私の前に突然現れた。


男「こんにちは。」


母「こんにちは。」


面識もない男性だった。

そのまま素通りしようとした私の腕をその人はおもきいり掴んですぐに黒いワゴン車へ無理矢理乗せた。



そこには他にもう2人の男性がいて私はすぐに廃墟になったばかりのここへ連れて来られたんだ。
















……怖い怖い怖い怖い怖い。


頭の中はそんな気持ちでいっぱいだった。




その男性は仕事も失い、奥さんと子供も家を出て行ってしまったようだった。



そんな時たまたま目についたのが私たち家族。


それなりにいい服をきて、なに不自由ない生活を送っていて仲のいい私達家族をみて腹を立てたと言っていた。



そして私が1人になった隙に誘拐したのだと。