優「湊斗!はやくね?」


湊「いや、院長が兄貴が忙しそうにしてるから今日はもう帰りなって。あと今日の当直変わるから兄貴も休みなってさ。」


優「海斗さんか……」


院長の結城海斗(ゆうき かいと)さんは俺の2個上で若院長。

いつも俺の兄貴かのように接してくれる人だ。



優「俺から後で院長に連絡入れておくわ。」


湊「うん。」


…いや、でももうじきお昼だし正直湊斗が帰ってきてくれて助かった。






湊「なんか手伝うことある?」


優「お前も忙しかったから休んでおけよ…って言いたいところなんだけど……2人とも高熱でな。」


湊「何度?」

優「2人とも40°C近い。いや、駿はもしかしたら超えてるかもしれない。」



俺がそう言うと湊斗は少し難しい顔をした。


優「おそらくインフルだと思う。検査したいんだけど…」

湊「あぁ…抑えてるよ。」



さすがは湊斗お察しがいい。


ひとまず俺らは駿の部屋に行き再び診察をし始めた。



熱を測るために脇に体温計を挟み、聴診をした。


優「駿ちょっと喉みるから口開けて。」

駿「ん。」


優「若干腫れてるな。駿、インフルエンザの検査しちゃうな。」


駿「え…インフル?この時期に…?ケホケホ…」


優「昨日話してた高橋君、インフルエンザだったから可能性が高い。」


俺がそう言うと嫌そうな顔をする駿。

するとすかさず湊斗が口を挟んだ。



湊「はい、いい子だから検査受けようね。すぐ終わるから。」


駿「……っ!大丈夫だし…ケホケホ」