美「……ん。」


目が醒めるとお家に帰ってきていた。


ここ…私の部屋じゃない。

優也兄の部屋だ。


私は重い体を起こした。




…やっぱり胸のあたりが痛い。


私は痛い胸のあたりを押さえた。



美「ケホ………っ!」

咳が出ると結構痛い。なんだろう。

しばらく痛くて胸を押さえていると優也兄が部屋に入ってきた。

…そりゃ優也兄の部屋だもんね。



優「美音起きた??」

私は咄嗟に胸を押さえていた手を下ろした。
バレたら心配かけちゃうから。


優「どこか痛いところは?」


美「大丈夫だよ。」


そう言うと

優「ふーん。」
と言って私がさっき押さえていた部分を軽く触れてきた。


美「……っ!…ケホケホッ!!」

……痛い。

痛みによって出た咳でまたしても痛んだ胸を私が再び抑えると優也兄の顔つきは険しくなった。


優「美音、明日起きたらまた病院行こう。」


美「私は大丈夫だよ!!」


優「美音。こっち向け。」

優也兄はそう言ってきたけど、優也兄の目を見ると何かを見透かされるようで…



目を合わせずにいると私の頬を大きな手で覆い向き合わされた。


優「約束したよな。ちゃんと言うって。」


美「……」

言ったけど……


迷惑なら心配してるようなことしなければいいじゃん。


どうせ今後1人になるなら…


もう優しさなんて知りたくない。