薬屋のキツネは、手当てをしながらこんな事を言った。

「本当に危なかったよ。僕がここを通らなかったら君は死んでしまっていたかもしれない。君はいつもみんなのことを考えて行動しているよね。困っているキツネがいると、直ぐに駆け寄って助けているのを、僕はずっと見てたんだ。
・・・誰かにしてあげたことは、自分にもいい事となって返ってくるんだよ。君がこんなに運が良かったのは、君が本当に心からいいヤツだっていう証拠だと思うんだ。確か村長になりたいんだよね?これからも陰ながら応援してるから、頑張ってね!」

けがをしていたキツネは声をあげて泣いた。自分が生まれて初めて褒められたからだ。誰かのために、誰かのためにと、仲間を最優先にして、自分の事は後回しにする性格のこのキツネが、初めて「自分」を褒めて貰えたのだ。