「大我ー、変じゃないかな?」

「碧はいつもかわいいから。な?」


ポンポンっとあたしの頭を撫でる。


「うう.......大我の言葉は信じられない」

「なんだと!?失礼だなー」


大我と一緒の大学に進むと決めて、大我の指導のおかげもあって猛勉強して無事に進学。
今日は新しい門出の日。

あたしは学生会館、大我は男子寮に入ったけどふたつが道路を挟んで向かいにあるのでこれからもいつも一緒だ。


「これから碧はもう自分を隠さなくていいんだな」

「うん。あそこでは自分の顔を見られたくなくて隠してきたけど、上京してきたからにはもうそんな生活やめるよ」

「別にいままでも辞めてたら良かったと思うけどな」

「だって、地元が近いんだもん。やっぱり怖いよ」


だからといって大学も絶対に安心というわけでもない。
でも、大我がいるから大丈夫だとそう思えるからすごい。


「大学では校舎も違うんだし、友達ちゃと作れよ?」

「わかってるよ。大我もね」

「俺は持ち前の明るさで何とかなるし。寮でも同じ大学のやつ見つけたし」


ドヤ顔であたしのことを見る。

「さすがー」


大我のコミュ力の高さは本当に凄いと思う。
でもそのコミュ力の高さのおかげで、いまあたしたちはこうして一緒にいるんだと思うから。