「うわー、なんか照れるな」



少し赤く染まった頬をしながら、大我は薬指に指輪をはめる。



「嫌じゃなかったら、俺の指にもつけてほしい」


「嫌なわけないでしょ」



箱に入ってるもうひとつの指輪を今度はあたしが大我の薬指へとはめる。



「おそろいだ」



シンプルなデザインだけど、どこか上品で。
エレガントな雰囲気がある指輪をあたしはすごく気にいった。


──カシャっと、音がしたと思えば並べた2人の手を大我がスマホのカメラにおさめていた。



「やべぇな、こんな幸せでいいんだろうか」


「いいんだよ。大我は特に誰かの幸せを祈ってばかりなんだから」



大我は、ただの明るいやつじゃなくて、底抜けに人がいい。
口は悪い時があるけど、それも優しさからでるもので。
なによりも、あたしを暗闇から救ってくれたヒーローだから。



「でも、あたしだけのヒーローでいてね」


「当たり前だろ。他のやつのヒーローになんかなるつもりねーよ」



チュッと重なるふたりの唇。

大我がいうように、こんなに幸せでいいんだろうかと疑ってしまうくらい、幸せな空気が流れていた。

でも、きっとこの誓いは永遠だって思っていた。