「碧は、東京でたら学校でメガネすんの?」


「いや、しないつもりでいるよ」



いつまでも自分を隠していられるわけじゃない。
上京をきっかけに殻を破ってもいいんじゃないかって思ってる。



「じゃあ、魔よけしとかねーとな」



あたしの薬指に手を触れて、ポケットから箱を取り出す。



「え?これ.......」


「俺のモノって思いたいんだけど、ダメ?」


「.......ううん。ダメじゃない」



大我と付き合ってくって決めたときに、大和からもらった指輪を初めてはずした。
なんだから、薬指が寂しくて仕方ない気がしてたけど、大我から貰った指輪をそこにつけれるなら、もう寂しくなんかない。



「俺と付き合ってすぐに、前の彼氏との指輪外してきたのめっちゃ嬉しかったんだ」


「そりゃ、外すでしょ。あたしの彼氏は大我なんだから」


「でも、元彼との思い出だし。それとこれは別なんだと思ってて.......だから、嫌じゃなければこれをつけて欲しい」


「じゃあ、つけてよ」



左手を大我の前へと差し出す。