｢ごめん、碧に欲張りになりすぎてんな。俺｣


｢.......そんなの、あたしだって｣


｢え？｣



いつの間にか開いていたあたしの口。
口に出した言葉は止まらなくて。



｢大我より、大和が好きだよ｣


｢.......っ、わかってるよ｣


｢でも、大我のことは独り占めしたいし、大事だって思ってる！｣


｢.......碧｣



ダメだ。言ってるうちに涙が溢れてくるのはなぜだろう。



｢一番好きだって思えないのに、大我のことは全部知っていたい。もう、やだよ.......こんな汚い感情｣


｢汚くねぇよ。なんだよ、それ.......俺のこと好きじゃん。お前｣


｢.......っ、好きだよ！大我のことが好き｣



認めてしまったら気が楽になった。



｢泣くか笑うかどっちかにしろよ｣



なんて言う大我も涙目だった。



｢一番好きになってくれなんて、言わないから。俺がお前を一番好きだから、それでいい。だから、俺の隣で笑ってろ｣



大我のひとつひとつの言葉はあたしの胸に響いて、そして、暖かくさせる。

どんな形でもいい、あたしが大我を好きで、大我があたしを好き。

その事実は変わらないから。