「偶然会うってこともあんだろ。それで、ヨリ戻したりしたら俺たぶんもう立ち直れねーよ」


「.......大我」


「だって、こんなに好きなんだよ?俺、たぶんそいつより好きな自信だってあるのに」


「こらこら、こんな教室で小っ恥ずかしもなく言えるねぇ」



ポンっと大我の頭を叩く慎吾。



「だって、必死なんだよ。俺だって」


「大我.......、どうしても帰って欲しくないの?」


「こんなの、俺のワガママだってわかってる。碧には帰るべき家が地元にあるのも。でも、クリスマスもお正月もいつだって俺が碧といたい」



ここまであたしのことを求めて来た人は、過去にいただろうか。
正直、大和とはお互いが好きだったけど、お互いが求めるってとこまでは達していなかったように感じる。



「.......わかった。こっちに残るよ」



大我の熱意に負けたのだろうか、帰りたいという気持ちはすっかりなくなっていた。



「本当か!?やった!」



少年のように喜ぶ目の前の大我に、あたしの頬も緩んでいくのがわかる。