「大我のことが嫌とかそういう対象で見れないってわけじゃないんだよ」


「嫌がられてないのはわかってるよ。でもさ、日に日に気持ちは重くなってくんだよね、まぁ、どこまでも待ってられる自信はあんだけどさ」


「.......ごめんね、大我」



なんだか急に大我に申し訳なくなってしまう。
こんなあたしのこと、辞めた方がいいって言ってあげたいのに。
あたしから解放してあげるのが大我のためなのに、あたしはもう一人の世界に戻ることができなくて、こうして大我を自分のそばに置いている。



「なんで、碧が謝んの」


「だって、大我の気持ちに応えられないなら離してあげるべきなのに、あたしはそれができないから」


「大丈夫。離せって言われても離れる気は俺がねーし」



あたしの手をぎゅっと握る。



「でもさ、碧のこと好きになりすぎて、こーやって嫉妬?とか.......キスしてーとかつい言っちゃうと思うんだ。嫌だと思ったら遠慮なく言ってな。でも、したいからって無理やりやるとかはねーから。嫌われたくないし」


「大我のこと、嫌だなんて絶対思わないから。無理やりは嫌だけど.......」


「俺は大和ってやつより、碧のことを知らないかもしれない。でも、今とこれからの碧はそいつより俺が知ってるからいい。今年の誕生日は俺が祝ったんだからさ」



ニコニコと嬉しそうな顔をしてる大我。

そんな彼のこと、手放せるわけなんてなくて、胸がきゅうっと痛くなる。

この、好きな人とはまた別の感情が何かはまだわからないけど、18歳になったこの瞬間は、思い出の1ページに刻まれた。