「おっと、気づいてないお前がおかしーだろ」



大我の胸を叩こうとしたあたしの腕をパシンと掴む。



「だって、そんなの.......分かるわけない.......って、本気なの?」


「本気だよ」


「.......っ」



大我の瞳が真剣そのもので、冗談なんかじゃないって物語ってる。



「大丈夫だよ。別に碧にも俺のこと好きになれなんて言わねーから」


「.......え?」


「でも、俺は自分の気持ちに嘘なんかつけねーからこれからも伝え続けるけどな」


「そ、それは.......」



大我はいつだって、まっすぐだからそんな気持ちをさらけ出せれたら、捕まってしまいそうになる。



「別に俺のことを好きになれなんて言わない。でも、こうして一緒にいて、いつか俺のことを見てくれたらいいなとは思う」


「.......大我」


「そのいつかが来るまで、1年でも3年でも5年でも10年でも.......待ってやる」


「何年計画よ.......」



そんなふうに言いながら、こんなに真剣に想われるのは嬉しかった。


でも、地元に置いてきた彼を頭に浮かべてしまうのはまだ未練があるから。

大我に気持ちを持っていかれそうになるけど、未練を抱いたまま大我になんて、都合のいいことはできないから。