「学級委員なんて、誰もやりたくなくて寝てたあいつに押し付けただけだよ」



松波くんが思い出したように笑い出す。



「うんうん。決まったときの大我の顔!ふは、いま思い出してもヤバい」



水戸さんも吹き出す。



「そ、そんな理由.......」


「じゃないとあいつが学級委員なわけねーだろ。うちのクラス変なとこで団結すげーからさ、あいつが学級委員になんの誰も止めなかったし」


「それは、すごいね.......」



起きて自分が学級委員になったと知ったときの心のうちは、計り知れない。



「まぁ、あいつはあいつなりに学級委員として頑張ってはいるみてーだけどな」


「嫌だったとはいえ、責任感は強いからね」


「そっか.......」



責任感が強いっていうのは見ていてわかる。
あたしのことだって、放っておけばいいのに、こんなにかまってくるなんて。
あの時、あたしの素顔を見てしまったからに違いない。

頼んでもいないのに、関わってくる杉浦くんのことを、最初は鬱陶しくて仕方なかった。
でも、いつしか、関わってくれることを楽しみにしている自分もいもいた。