「こいつ、本当は友達欲しいと思ってるから、仲良くしてやってよ」



ポンっとあたしの頭に触れる。



「ちょ、そんなこと一言も.......」



この人は、どうしてここまであたしに構うのか。
どうして、あたしの心を盗み見ようとするのか。
突き放せば、突き放すほど近づいてくるこの人がわからなかった。



「大我ー、お前.......相手にされてねーじゃん」



松波くんが可笑しそうにゲラゲラと笑う。

その、笑った顔が、あたしの胸を埋め尽くす彼に似ていて、とくんと胸が高まった。



「何、お前。慎吾のことぼーっと見て」



ぐいっとあたしの腕を引っ張るのは杉浦くん。



「え?別にそんなつもりは.......」



なんて言いながらも、少しだかあの人に似てる松波くんからは目が離せなくなってしまう。



「今だってみてんだろ。お前、俺のこと見ればいいだろ」



悔しそうに唇を噛み締める杉浦くん。



「見ればいいだろって、大我お前、惚れちゃった?辛島さんに」



ニヤッと笑って杉浦くんを見る松波くん。