「ねぇ、碧。なにかあの元彼とワケありなんだよね?普通に別れたわけじゃない気がするんだけど」


講義がすべて終わって、コンビニでお菓子を買い込んでやってきた六花の家。


「.......六花」

「言えないんじゃ辛いんじゃないかなと思って。別に無理に話そうとはしなくていいけど。聞くくらいならできるから」

「.......ありがとう」


いままでかたくなに口を閉ざしてきた。
大我にさえこの前初めて話した。
でも、きちんと全部は言えてない気がする。
全部言ってしまったら、嫌われてしまいそうで。
大我に嫌われたら、それで終わりだから。


──あたしと大和、そしてサクともう一人みのりん。
あたしたち4人は幼なじみでいつも一緒だった。
そんなあたしたちの関係がなんとなく変わりはじめたのは、中学生のとき。
サクとみのりんがお互いの想いを伝えあって付き合いだしたのだ。
だけど、4人でいることは変わらなかったし、これからもなにも変わらないんだと思っていた。

でも、あたしも大和もお互いのことが、好きだってことはわかってた。
よくある両片思いってやつ。
いつだって、あたしの盾になってあたしを守ってくれた大和のこと好きにならないはずがない。