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「碧、この前大丈夫だった?」

「六花.......ごめんね。あんなとこに置いてって」

「大丈夫。家近いし.......それよりも、あの人元彼?」

「.......うん」


大学に入学してから1ヶ月。
同じバイト先を選んだことをきっかけに、六花にはすごく仲良くしてもらってる。


「なにー?なんか修羅場だったわけー?」


六花とあたしの会話から状況を読み取った瑠樺ちゃんが首を傾げる。


「うん、ちょっとね.......」


瑠樺ちゃんにはまだうまく心を開けてなくて、全部を言うことができないでいる。
地元に住んでいたことが大きいのだろうけど、たまにあたしのことを見る瑠樺ちゃんの視線が怖くて、うまく話せない。

きっと、あたしの気のせいだし、そのせいで瑠樺ちゃんに冷たい人だと思われるのも嫌でとりあえずは普通にしているけど、どうしてもうまく付き合っていけそうな気がしない。


「碧、今日バイト休みじゃん?ちょっとウチにおいでよ」

「えー、いいなぁ。あたしも行きたい!」

「今日は碧とふたり!今度ね!」


あたしが瑠樺ちゃんに対してマイナスイメージを抱いていることを気づいているからか六花はこうして気を使ってくれる。

本当なきちんとしないとならないけど、六花の優しさに救われている。