大我の方の人がどんな人かはわからないけど、たとえ知り合いだとしてもあたしが関わらなければいい話だから特に気にはしてなかった。


「ま、なんかあったら俺がこうして駆けつけてやるからさ。俺にどーんと任せておけよ。こっちに着いてこさせたのは俺だし、絶対後悔させねーから」

「ありがとう。大我がいると思ったら心強い」

「さっき俺の周りが騒がしかったから遠慮したんだろ?」

「.......うん」

「遠慮とかいらねーから。碧より大切なものなんてないから。な?」


ぽんっとあたしの頭に手を触れる。


「.......うん」

「だーれもいない.......な」


キョロっと辺りを見渡して、ちゅっとあたしの唇に自分のそれを重ねる。


「.......ん。大我」

「そんな顔でみんなよ。もっとしたくなるから」

「.......バカ」

「よーし。戻るか。また帰りな!下まで迎えにくるから」

「うん。ありがとう」


あたしはこんなに不安を抱えすぎるのに、大我のおかげですぐに全部溶かしてくれてしまう。
大我がいてくれてよかったって本当に思うんだ。

大我のこと、確実に前よりもずっと好きになってる。

あたしたちの東京生活は順調に幕が開けた。
.......はずだった。