「それで聞きたいこととはなんですか?」
私は夜月さんの向かいのイスに座りさっきの会話の事について話すことにした。

「どうして1年生の教室を空き教室だなんて言ったんですか?確かに放課後で残ってる生徒は部活に言ってますけど忘れ物を取りに来る可能性もありますよね?」

「近くの空いてる教室がそこだっただけです」
顔色を変えずに夜月さんは言った。

「あの教室は鍵がかかってました。それにカバンがまだ残っていましたよ?」
私はさらに疑問を投げかけることにした。

「それは・・・気付かなかったです。鍵はかかっていなかったと思いますけど?」
少しだけ眉が動いたように見えたがすぐにいつもの表情に戻った。

「鍵はかかっていました。夜月さんが魔法で開けたんですよね?普通に考えて少し先に特別教室といって授業でしか使われない教室もありましたよ?」

「そんなこと今はどうでもいいでしょ?私は忙しいので」
そう言って立ち上がって夜月さんの手首を捕まえた。

「そうやって言い逃げするんですか?私のことを信用していなのは分かってます。それでも正直に言うべきだと思いますけど?」
私は真剣な顔で夜月さんを見つめた。