ひみつ

でもやっぱり今日はしんどい。


昨日走ったからまだ体がびっくりしっぱなしなんだ。


ちっちゃい水筒をこっそり持ってトイレへ行った。


ポケットに入っているお昼の分の薬を出して、手に取る。


いろんな色の薬。これがなかったら私は生きていけない。


口に入れてごくりと飲み込む。


はぁ、あと何回こんなことが出来るんでしょうか...


トイレを出ると、少し気になるクラスの子がいた。


ムードメーカーで明るい人。


背中がどこか頼もしくて、笑顔が素敵。


こんな人、初めて見た...


誰にもこんなこと言えないんだけどね...!


教室に戻ると、何だか机の周りが賑わっていた。


「ねえ莉奈、今日放課後部活ないよね? 駅前にこないだ出来たスイーツやさん行かない??」


「えっいいよー!」


スイーツ...


あんまり食べたことないや...


いつも病院ではミルクプリンが出てた。


それぐらいしか食べたことないかも...


あくまでも私は『普通の女子高生』だから...


食事制限なんて...ないよ、ね?


なんかワクワクして、放課後は秒で訪れた。


「さあみんなで行きましょー!」