晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】

「一緒に住み始めて、すぐにね、智也が
 ずっと携帯を離さないのが気になったの。
 家にいる時も、ずっとマナーモードの
 ままだし、夜も休みの日もなんか私に
 隠れてコソコソ、メールしてるし。
 そしたら、どこで私の連絡先を知ったのか
 分かんないけど、突然、匿名で写メが
 送られてきたの。」

そう言って、雪菜は携帯の画像を見せてくれた。

それは、ベッドで仲睦まじく肩を寄せ合うカップルの自撮り写真。

シーツから覗く肩は、2人とも素肌で、シーツの中がどうなっているのか、容易に想像できる。

男性は明らかに智也で、女性は顔を黄色のスマイルマークで隠されていた。

その下には、ご丁寧に、その写真が撮られた日時と場所が記載されている。

「ほんとは、すぐに削除しようと思ったの。
 でも、もしこの先これが原因で離婚する
 ような事があったら、これは有力な証拠に
 なるから、残しておかなきゃいけないと
 思って… 」

「ひどっ!!
 これから、智也の子を出産しようと
 思ってる妊婦にこんな写真を送りつける
 なんて、相手の女も最低ね。」

「うん。
 でも、この人、2年前から智也と
 付き合ってるって。
 妊娠を盾に智也を奪ったのは私だって。」

え…
私、2年も二股掛けられてたの?
ほんと、最っ低!!

「それでも、智也は雪菜を選んだんでしょ?
 それを付き合った年数でどうこう言うのは
 間違ってるよ。」

「晶が言うと、重みがあるなぁ。
 ほんと、ごめんね。
 智也が晶と付き合ってるって知らなくて… 」

雪菜は、うつらうつらと眠そうにする晴空ちゃんを優しく揺らす。

「それは、もう気にしなくていいよ。
 お陰で、私、今、幸せなんだし。」

私がちらりと龍を見やると、こちらを見ていた龍と目が合った。

優しく微笑んだ龍が私のロングヘアを指に絡める。