推しが私に噛みつきました。




「思えば、あのときから、好きだった。ひとめぼれだよ」



私なんかが、先輩と目を合しちゃいけないって思って、逸らして生きてきた。



それをしなくても、いいってこと……ですか。先輩。



「……俺の気持ちを話すのは、今日はおしまい。1日で話しちゃったら、もったいないから。



……だから、また明日」



さっきとは違うニュアンスで言われた、『また明日』に対して、そっと深呼吸をしました。



「先輩。私の気持ちを話すのも……また明日、ですかね」



微笑みながらそう言うと、先輩は「えっ」と声を出しました。



左手の薬指。先輩がはめた指輪が、甘くて甘くて、愛おしいです。



END.