「あ、私そろそろ時間だから、もう切るね?今日も電話ありがとう。」


「そうね、學校頑張ってらっしゃい。」


「くれぐれも男子には気を付けるんだぞ。花ちゃんはママに似て可愛いから・・・。」


「もう~、パパったら~。」



・・・まったくこの能天気夫婦ときたら。

學校に行く支度をして、玄関にある鏡に立ち止まる。
鏡には、勿論ほかの誰でもない私自身が映る。

この顔を見るたびに、何度も思った。



――私は、あの頃とは違う・・・




「私はこの顔に負けない。・・・絶対に。」




靴箱の上に置いている、眼鏡をかけて、



「これが”今”の私なんだ。」



大きく一歩を踏み出し、玄関を開ける。






外は晴天。雲一つなく、空気が美味しい。



さぁ、今日も一日、平凡なスクールライフ。
始めようじゃない。