ユウジが本当にプロの選手になることができれば、一躍有名人だ。


そうなるとあたしだって同じくらい有名になることができる。


何億という報酬を得る可能性だってある。


そう思うと夢はグングン膨らんで行く。


ユウジには才能がある。


その才能を、カオリさんの力で少しだけ後押ししてあげるのだ。


「いいね。面白そうじゃん」


サチも乗り気だ。


「カオリさんが、同じ人間の願いをきくかどうか、それが問題だね……」


スズが、小さな声でそう呟いたのだった。