「デビュー作の見本誌、届きましたっと」 あまり自慢のようになってしまってはいけないかと気を遣いつつ、多少の宣伝を入れて世界に発信した。 画面を閉じて、目の前の本たちと向き合う。夢にまで見た自分の本。ドキドキして仕方がなかった。 「……行かなきゃ」 目の前の本の一冊を手に取り、丁寧に包んで家を出る。 誰よりも先に読んでもらいたい人がいるから。