愛を捧ぐフール【完】

 ふふっ、と野望に満ちた笑みでペルディッカスは微笑む。クリストフォロス様とほとんど年の変わらない彼は、かなり有能な人間だった。


「陛下はエレオノラ王妃様をご寵愛していらっしゃいますが、エレオノラ王妃様に御子が出来なくてよかったよかった」

「そうだな。エレオノラ王妃様に感謝するしかないな。子供を作らないでくれてありがとうございます、とな」

「最近エレオノラ王妃様も表に出てきていませんからなあ」

「陛下がエレオノラ王妃様を格下げするのを渋らなければ……と思ったが、先にテレンティア様が懐妊されて本当によかった。流石に陛下もエレオノラ王妃様を格下げにするであろうよ」


 無意識に握り締めた拳が震えた。
 イオアンナも他の侍女も聞こえてきた言葉に怒りの表情を隠そうとしないまま、今にも飛びかかりそうな勢いでペルディッカス達を見ていた。


 私が冷静にならなくてどうする。私は王妃なのに。