愛を捧ぐフール【完】

 件(くだん)の王女様が私達の国に嫁いできたのは、それから間もなくの事だった。
 長らく途絶えていた国家間の国交復活を祝して、それはそれは立派な花嫁行列だったと聞いた。


 私は直接見ていない。侍女のイオアンナに教えてもらっただけだ。
 私は王妃として隣国の王女様に、クリストフォロス様と一緒に会っただけだった。


 テレンティアというこちらでは耳にしない名前の彼女は、噂に違わず見る者全てを魅了するかのような美しい女性だった。


 クリストフォロス様と並んでも見劣りしない程に。
 ……なんて、これは自分の醜い感情から出てくる言葉なのかもしれない。


「エレオノラ様!見てください!陛下から美しい花束が届きましたよー!」

「イオアンナ、ありがとう。とても綺麗ね……飾っておきましょう」

「はい!どの花瓶にするか悩んじゃうなー」