愛を捧ぐフール【完】

 その次に行われた貴族議会には、クリストフォロス様の命令で私は出席しなかった。
 クリストフォロス様も、私も、何処かで分かっていたのかもしれない。隣国の王女を娶らなければならない事を。


 隣国の王女を娶った方がゆくゆくは我が国と隣国との繋がりは深まるし、隣国の人質としての利用価値も王女にはある。
 それも美しいと名高い王女。生まれは私の方が劣る。


 日が落ち、夜もだいぶ深まってきた頃にクリストフォロス様は疲れきった顔で私の元へ訪れた。


 それだけで、もう分かってしまったのだ。


「クリストフォロス様……」

「エレオノラ……、ごめんね。君を傷付ける事になってしまいそうだ」


 疲れきった顔に笑みを浮かべたクリストフォロス様は、きっと悪くない。悪くないのだ。


 そう、これは正しい事。
 王様として、正しい事なのだ。