愛を捧ぐフール【完】

 凄まじい剣幕でペルディッカスを睨むクリストフォロス様に、場の空気の温度が一気に下がったようだった。


 ……隣国の王女がこちらに嫁入りするとなったら、相手は間違いなく国王であるクリストフォロス様だ。


 分かっている。


 国王であるクリストフォロス様に今まで妻が私一人だった方がおかしかったのだ。クリストフォロス様のお父様だった先代国王陛下も何人もの側室がいた。


 そして、もう結婚して3年は経つ。私ももう17になった。3歳年上のクリストフォロス様は20歳。もう子供が1人位いてもおかしくないのだ。


 どう考えても今まで側室を、という声が私の元まで来なかったのはきっと周りのみんなが気を遣っていてくれたのだ。


 ただの国内出身の側室であったならば、側室に子供が出来たとしても、王妃としての私の立場は揺らぐ事は無い。だけど、今回は隣国の王女様。