愛を捧ぐフール【完】

「ペルディッカス殿。それは一体どういう事ですかな?我らにも隣国の〝新たな要求〟について教えてもらえますかな?」

「……我らが希望した一部の領地の譲渡の中に、流行病の影響が強く残っている土地があるそうで、そこに住む領民の為にその土地ではなく、王女を貰ってくれとの事です」

「なんと!」


 冷静に答えたペルディッカスは、苦々しい表情でお父様を見ていた。きっと元々力を持っていた私のお父様が、国王に娘を嫁がせて更に力を持ったことが許せないのだろう。


 ペルディッカスは苦々しい表情をしていたけれど、私に視線をチラリと移した後、クリストフォロス様に向き直る。


 よくは知らないが、貴族議会は全ての者が一致団結してる訳ではなく、人によって好き嫌いがあるのかもしれない、とその時何となく察した。そして、ペルディッカスが私の事を良く思っていないかもしれないということも。


「しかし、隣国の王女様となればただの一側室として置いておく訳にはいきますまい。流行病で弱っているとはいえ、平常時は領地の広さも、人口も、国力も我らとほぼ同格。先の事を考えると、一側室として扱うのはあまりにも失礼になってしまうかと……。それにエレオノラ王妃様はお身体が大変弱いようですし……」

「黙れ、ペルディッカス。私はまだその隣国の要求を呑んではおらぬ。そして余計なお世話だ」

「失礼致しました」