愛を捧ぐフール【完】

 私の掛かった流行病は、隣国では相当猛威を振るったらしい。幸いにも隣国の王都ではそうでもなかったみたいだが、国中の町や村はかなり酷かったそうだ。


 私達の王国と隣国は大層仲が悪く、行商人達がこっそり交易して莫大な利益を生み出しているような有様だった。表向きには国交していない隣国との国交制限を行商人達に課せられるわけなく、流行病が広がってしまったのである。


 それを聞いたのはクリストフォロス様が戴冠してから1年と少し経ったあと。
 そろそろクリストフォロス様に何かあった時にと、私の間に子供を作って欲しいとせっつかれている時期だった。


 勿論私の身体は弱ったままで、長期間外に出られる体力もない。子供なんて以ての外だ。


 クリストフォロス様はそんな私を大事にし、子供の事は任せてくれって言っていた。きっとその時の彼には何か考えがあったのだろう。