愛を捧ぐフール【完】

「でも、傍から見たらクリストフォロス殿下はエレオノラ様をすごく寵愛なさってますよ。子供のことは側室様に任せて、エレオノラ様はここで王妃様として胸を張っていれば良いではありませんか?」

「違うの……そうではないの……」

「エレオノラ様?」


 ただ、ただ苦しい。
 クリストフォロス様の隣に別の女性が並び立つのも、クリストフォロス様の妻が私以外に増えるのも、私以外の女性がクリストフォロス様を独占する時間があるのも、苦しい。


 嫌なのだ。


 私は王太子妃で王妃になる予定だった女なのに。国王には何人も側室がいることが当たり前なのに。


 こんな感情を抱くのは間違ってるって思っても、止まらない、止められない、止める方法を知らない。でも我慢しなければ。蓋をしなければ。


 愛している。クリストフォロス様を。


 だけど私のこの醜い感情は、綺麗で美しくて華やかな色をしていた愛と言えるの?


 病で痩せ細ってしまった自分の首筋を緩りと撫でる。なんだか細い紐が絡み付いたように、私の首をじんわり締め上げた感じがした。