愛を捧ぐフール【完】




 ーーそれから間もなくの事だった。義父である国王が流行病に倒れ、帰らぬ人となったのは。


 お義父様との思い出はあまりない。王妃様との関わりはあったが、お義父様と数人いる側室様には接する機会はあまりなかった。


 だから悲しいとは思っても、薄情な事に十代半ばを過ぎたばかりのクリストフォロス様が疫病が蔓延する中、若くしてこれからの国を担っていくのかと思うと、とても心配になってしまった。そして、私はこの身体を引き摺って、そのまま王太子妃から王妃になってしまうのかと。


 王妃になれば、更に離縁は難しくなる。王太子妃であってもそうだったけれど。


 クリストフォロス様の他言無用にとの命令で、私の身体の事は全く外部には漏れていない。しかし、私の体力も身体もボロボロで、あまり長い間外には出ていられないし、以前のように活発に活動する事なんて難しかった。


 部屋ばかりにいる私の事を誤魔化すことなんて、いつかは無理になる。だから、その前に別れなければ。