愛を捧ぐフール【完】

 ホノリスの王女様は率先してアルガイオの王国を視察し、貧しい人々への救済を施していきました。
 王妃様に代わって精力的に公務にあたる王女様に、いつしかアルガイオの国民は心を動かされていったのです。


 後宮の情勢もだいぶ変わりました。王妃様に気を遣われていた側室様方は、今はホノリスの王女様の顔色ばかり伺っております。


 それでも王妃様は王様に大事にされ、王城の一室にひっそりとお過ごしになられていたのです。
 どんなに体調が悪くとも、明るく振る舞われておいででした。


 それから程なくして、国中に吉報がもたらされました。
 ホノリスの王女様が懐妊されたのです。男の子だったら、世継ぎ。女の子でも王様の初めての子供です。


 その知らせを聞いた王妃様は、日に日に衰弱していく身体の悪さを見せることなく、にこやかに微笑んでホノリスの王女様にお祝いを述べられました。