睡眠薬が効いているとセウェルス伯爵は言っていた。
睡眠薬であろうとなかろうと、この二人きりの状況がどんなに不味かろうと、まずフォティオスお兄様を一刻も早く医者に見せなければならない。
「ええ。アウレリウス公爵に軟禁されていましたが、アウレリウス公爵はセウェルス伯爵のように私の醜聞より、〝確実に〟セウェルス伯爵との婚姻を結ばせようとしていたみたいです。それも過敏な程に」
「……アウレリウス公爵が、……なぜ」
脱出出来る経路を粗方探し終えて私は、諦めざるを得なかった。どこを見ても、鍵が掛かっていて外には出られない。
座り込むフォティオスお兄様の正面へしゃがみ込む。俯き加減の彼の額に手を当てると、淹れたての紅茶のカップのように熱くて驚く。ただの睡眠薬ではなさそうだ。服の襟元は少し汗で色が変わっていた。
「セウェルス伯爵の思惑通りになりますが……、助けを大声で呼びます。ご迷惑お掛けして申し訳ありません、フォティオスお兄様」
「……やめろ」
半ば投げ出されていた手で、額に触れていた方の手首を掴まれる。
「やめろ」
睡眠薬であろうとなかろうと、この二人きりの状況がどんなに不味かろうと、まずフォティオスお兄様を一刻も早く医者に見せなければならない。
「ええ。アウレリウス公爵に軟禁されていましたが、アウレリウス公爵はセウェルス伯爵のように私の醜聞より、〝確実に〟セウェルス伯爵との婚姻を結ばせようとしていたみたいです。それも過敏な程に」
「……アウレリウス公爵が、……なぜ」
脱出出来る経路を粗方探し終えて私は、諦めざるを得なかった。どこを見ても、鍵が掛かっていて外には出られない。
座り込むフォティオスお兄様の正面へしゃがみ込む。俯き加減の彼の額に手を当てると、淹れたての紅茶のカップのように熱くて驚く。ただの睡眠薬ではなさそうだ。服の襟元は少し汗で色が変わっていた。
「セウェルス伯爵の思惑通りになりますが……、助けを大声で呼びます。ご迷惑お掛けして申し訳ありません、フォティオスお兄様」
「……やめろ」
半ば投げ出されていた手で、額に触れていた方の手首を掴まれる。
「やめろ」
