「……サヴェリオ、さま」
「クラリーチェ、嬢……?」
いつも項(うなじ)で縛っている襟足の長い髪は、今は解けている。少しだけ外に跳ねた黒髪と、お酒を飲んだのか少し夢見心地のような表情も相まって、退廃的な雰囲気を纏っていた。
「サヴェリオ・フィリウス。お目覚めかい?」
「お前……っ?!これはどういう事だ?!セウェルス伯爵!!」
サヴェリオ様ーーフォティオスお兄様は鼻に皺を寄せて、セウェルス伯爵を鋭く睨めつける。素早く起き上がろうとしたが、身体に力が入らないのか彼は大きくよろめいた。
だが、彼にとってもこれは危機的状況だと分かっているのか、ベッドに手を付き辛うじて踏みとどまる。
「ふむ……、どうやらちゃんと〝睡眠薬〟は効いているらしい」
フォティオスお兄様の様子を独りでに確認して、セウェルス伯爵は一つ頷いた後に私達に背を向ける。
このままフォティオスお兄様と二人になる訳にはいかなくて、部屋から出て行こうとするセウェルス伯爵に取り縋ったが、体格の違いが大きすぎて突き飛ばされた。
床に転がる私と、ベッドに手を付いたまま動けないフォティオスお兄様は、そのまま部屋の扉が施錠される音を聞くしかなかった。
「クラリーチェ、嬢……?」
いつも項(うなじ)で縛っている襟足の長い髪は、今は解けている。少しだけ外に跳ねた黒髪と、お酒を飲んだのか少し夢見心地のような表情も相まって、退廃的な雰囲気を纏っていた。
「サヴェリオ・フィリウス。お目覚めかい?」
「お前……っ?!これはどういう事だ?!セウェルス伯爵!!」
サヴェリオ様ーーフォティオスお兄様は鼻に皺を寄せて、セウェルス伯爵を鋭く睨めつける。素早く起き上がろうとしたが、身体に力が入らないのか彼は大きくよろめいた。
だが、彼にとってもこれは危機的状況だと分かっているのか、ベッドに手を付き辛うじて踏みとどまる。
「ふむ……、どうやらちゃんと〝睡眠薬〟は効いているらしい」
フォティオスお兄様の様子を独りでに確認して、セウェルス伯爵は一つ頷いた後に私達に背を向ける。
このままフォティオスお兄様と二人になる訳にはいかなくて、部屋から出て行こうとするセウェルス伯爵に取り縋ったが、体格の違いが大きすぎて突き飛ばされた。
床に転がる私と、ベッドに手を付いたまま動けないフォティオスお兄様は、そのまま部屋の扉が施錠される音を聞くしかなかった。
