愛を捧ぐフール【完】

「クラリーチェ?大丈夫かい?」

「……エヴァンジェリスタ、さま」

「具合が悪そうだ。少し外の風に当たろう」


 周りを取り囲んでいた人々に、セウェルス伯爵は一言何かを告げる。誰かが「ご令嬢には刺激の強い話でしたな。申し訳ない」と謝っていた。


 それすらもうわの空で聞いていた私は、セウェルス伯爵に連れられるがまま、外の庭に出る。


 それからどの位の時間が経ったのか分からない。
 すぐのような気もしたし、少し掛かったようにも思う。


「……ファウスト様が反乱の鎮圧に向かわれたというのは本当ですか?」


 やっと出てきた声は、セウェルス伯爵への問い掛けだった。


「そうだね。君は隔離されていたから知らなかっただろうけれど、出陣されたのは有名だよ」

「怪我されて、行方不明だと……」

「それもね、本当ではないかと言われているよ。国王陛下が正式に発表していないから、噂にとどまっているけれど」

「……それなのに、なぜ……。なぜこんなパーティーを開催しているのですか……?」