「エレオノラ様がいなければ、……というより、わたくしが王妃として相応しいのにってずっと思っていたのです。エレオノラ様もお亡くなりになりましたし、これでエレオノラ様と違って名実共にクリストフォロス様の隣はわたくしのものですよね?」


 なんで今まで気付かなかったのだろうか。首を傾げるビアンカが、今ははっきりとテレンティア様と重なる。


「あ、別にたまたまエレオノラ様がクリストフォロス陛下のお側にいらっしゃっただけで、エレオノラ様ではない方でも同じ事を思っていましたわ。だってわたくしホノリスの王女ですよ?蔑(ないがし)ろにされていいはずがないでしょう?」


 ふふっとただの侍女には似つかわしくない、お上品な微笑みを浮かべてビアンカは冷たく言った。



「お話して差し上げましょう。エレオノラ様がお亡くなりになられた後、何があったのかを」